戻る    

2月2日CS研究報告会


2013年2月2日(土)国立成育医療研究センター2階22号会議室


  プログラム
    発表概要
  1. 久保田 雅也 「Cockayne症候群とSeckel症候群
    Cockayne症候群とSeckel症候群は精神遅滞と成長障害は共通する。日光過敏、顔貌の特徴、難聴、足関節拘縮、基底核石灰化などのCockayne症候群に特有な徴候はSeckel症候群には認めず。

  2. 田沼 直之 「DNA修復異常症と酸化ストレスマーカー
    XP・CSともに年齢が進むにつれ、酸化ストレスマーカーが上昇していく傾向がみられた。XP患者尿では酸化ストレスマーカーの上昇に比して抗酸化能の低下は軽度であった。一方CSは酸化ストレスマーカーの上昇はXPに比べて軽度で、抗酸化能の低下が目立つ傾向があった。ATは酸化ストレスマーカー、抗酸化能ともに軽微な変化にとどまった。Atypical Hutchinson-Gilford progeria syndromeはCSと同様に抗酸化能の低下が目立った。

  3. 林 雅晴 「コケイン症候群の髄鞘病変の解析
    XP-Aでは、大脳萎縮に伴う有髄線維の減少に比し、局所性の軸索・髄鞘障害は顕著ではなかった。一方、CS脳では、石灰化部位以外において、有髄線維(軸索)の減少、大脳皮質深部穿通枝の髄鞘脱落がみられ、神経軸索・髄鞘の一次的障害が推定された。大脳皮質深部穿通枝の髄鞘脱落はKB染色では確認できず、MBP・PLP染色による評価を必要とした。以前、CS脳で血管密度の増加を報告したが、皮質深部穿通枝の髄鞘脱落との関係も明らかではなかった。今回は視察的な評価であり、対照と症例でMBP・PLP陽性の有髄線維密度の定量を開始している。また、CS皮質深部穿通枝の髄鞘脱落に関して神経・グリア細胞マーカー、酸化ストレスマーカーの免疫染色を準備中である。さらに同様に血管病変、石灰化、白質病変を示すAicardi-Goutières症候群との関連にも注目している。

  4. 中根 裕信 「コケイン症候群モデル動物における腎臓の解析
    「Xpg null マウスにおけるコケイン様臨床症状の検討」
    1)各日令のXPG nullマウス(〜3週令)の組織検索を行う。検索には、各日令マウスを灌流固定した標本を作成し(固定条件を一定にするため)、光学顕微鏡(場合によってはTEMを用いて)で検索する。当然、ヒトとマウスの種の違いには、細心の注意を払って検索する。ヒトのCS患者の剖検症例の所見を参考にして、以下の点に留意する。
    皮下組織[異栄養性小人症]、性腺[性腺機能低下]、網膜[網膜色素変性症、視神経萎縮]、聴覚器[感音性難聴]、小脳[小脳失調]、関節[関節拘縮、亀背]、尖足(歩行異常)、脳の髄鞘化[髄鞘障害]、歯・唾液腺[齲歯、唾液分泌]等を検索する。[ ]: コケインの臨床症状。
    2)顕著な病理変化が見られない場合でも、蛋白質の発現レベルの違いがある可能性もあるので、各日令XPG null マウスの各臓器(腎臓)のmRNAを採取して、免疫組織学的手法やISH、Real-time PCR等でも検討する。

  5. 荻 朋男 「次世代ゲノム解析法とDNA修復活性測定法を併用したコケイン症の迅速診断手法の開発
    Research Network:臨床診断'責任遺伝子未知の症例の収集→責任遺伝子の探索と同定及び機能解析→UVSSAの機能解析→UVSSとCSの病態の謎の解明→CSの緩和薬の探索

  6. 花田 克浩 「疾患モデルマウスを用いた新規薬剤の探索
    重症コケイン症候群モデルマウス(Xpg )の寿命を延ばす可能性のある新規薬剤の探索を行っている。

  7. 立石 智 「アポトーシス制御遺伝子であるChk2は発がんを防御し老化に関与する」 (Rad18ノックアウトマウスを用いた解析)
    コケイン症候群であると細胞診断するために必要な診断基準
    1.細胞に紫外線を照射して感受性がみられること (UV照射後の細胞の生存率の低下)
    2.不定期DNA合成 (UDS) が陽性であること
    3.RNA合成回復 (RRS)が陰性であること

  8. 本島敏乃、杉田克生 「コケイン症候群の酸化ストレスならびに臨床的腎機能評価
    腎障害に対するフォローアップ指針(案)
    【軽度腎機能低下の発見】
    血清Cre/CysC/BUN/UA・尿中β2MG・NAG・一般定性などから総合的に評価する
    5歳以上は3〜6カ月毎、漸増傾向にあればより重点的に
    【腎障害に伴う合併症/腎障害を増悪する因子に対して】
    高血圧:Ca拮抗剤を中心に
    高尿酸血症:アロプリノール(服用者は3カ月に1度は検尿) 検査として腎エコー、尿沈渣
    【慢性腎機能低下に対して】
    吸着炭、重炭酸、エリスロポエチン、鉄剤など
    腎不全(GFR<50)で腹膜透析を考慮
▲このページのトップへ